ランプレセプタクルなどの電気工事の欠陥例

第二種電気工事士技能試験|欠陥内容や施行ポイントを写真付きで解説


重要!

平成29年の試験から成果物に一つでも「欠陥」があると不合格になります。

すべての欠陥内容を把握して試験に臨むことが大切です。

良否解説

        講習会にて受講生が実際に作業をした中から解説していますので参考にして下さい。

【目次】

一般財団法人電気技術者試験センターによる欠陥の判断基準

 第二種電気工事士技能試験概要と注意ポイント

欠陥箇所がない例

第二種電気工事士技能試験における欠陥と解説

 欠陥箇所あり|差込形コネクタによる差込接続部分

 欠陥箇所あり|①防護管の支持方法が不適切

 欠陥箇所あり|②絶縁被覆が台座の下端から5㎜以上露出したもの

 欠陥箇所あり|①電線色別の相違

 欠陥箇所あり|②埋込器具と連用取付枠との取付不十分

 欠陥箇所あり|止めネジのネジ切り未処理

 欠陥箇所あり|絶縁被覆を締め付け

 欠陥箇所あり|絶縁被服が短い

 欠陥箇所なし|コンセント

 欠陥箇所あり|電線の接続で絶縁被覆を圧着している。

 欠陥箇所あり|リングスリーブ接続において圧着マーク不適正

欠陥例

 ■ランプレセプタクルの場合

 ■引掛シーリングの場合

 ■ケーブルの場合

一般財団法人電気技術者試験センターによる欠陥の判断基準

欠陥の判断基準となるのは電気技術者試験センターが公表している情報です。当メディアでは、電気技術者試験センターが公表している第二種電気工事士の技能試験における「欠陥の判断基準」をわかりやすく解説していきます。

 

参考情報:第二種電気工事士技能試験「欠陥の判断基準」|ECEE一般財団法人電気技術者試験センター

第二種電気工事士技能試験概要と注意ポイント

欠陥箇所がない例


欠陥のない四路回路の完成画像
四路回路の完成画像
欠陥のない三路スイッチ裏結線
三路スイッチ裏結線
欠陥のない四路スイッチ裏結線確認画像
四路スイッチ裏結線確認

★施工ポイント

 

3路スイッチの記号『0』端子へ「黒色電線を結線する」ということを間違えないようにしましょう。 アウトレットボックス内の電線接続は外装被覆を多めに剥くことで、圧着作業の効率が上がり時間短縮に結び付きます。剥く長さをしっかりと学習して覚えましょう。

第二種電気工事士技能試験における欠陥と解説

第二種電気工事士技能試験での合否は、制作物に欠陥があるかどうかの判定に基づいて試験委員会で決定されます。欠陥のない作業をして初めて合格できますから、第二種電気工事士の技能試験前にどのような場合に「欠陥」と判定されるかを把握して、本番ではノーミスでクリアできるようにしましょう。

欠陥箇所あり|差込形コネクタによる差込接続部分


実践作品
単相二線100Vと三相三線200V回路の問題
差込形コネクタの電線接続状況
差込形コネクタの電線接続状況

★解説:コネクタの先端部分を真横から目視して心線が見えていない状態

 

原因は心線を奥まで差し込んでいない場合がほとんどですが、心線が短い場合もこのようになるので注意しましょう。心線はストリップゲージに合わせて切断し、強く差込み、差込み後は見直しをすることが大事です。

欠陥箇所あり|①防護管の支持方法が不適切


★解説

①防護管両端のバインド線を一回しか巻き付けていない。

防護管を支持するバインド線はケーブルシースに2回以上巻き付け、根元から2回以上ねじりましょう。試験までに何度か練習を重ねて慣れておく必要があります。

 

欠陥箇所あり|②絶縁被覆が台座の下端から5㎜以上露出したもの


★解説

②シースの剥き過ぎで絶縁被覆が5㎜以上露出している。 

 完成後でも修復可能なので修復の方法を覚えましょう。※引掛けシーリングの結線で心線を露出するケースが多くあるので注意しましょう。1㎜以上の露出は欠陥です!被覆のはぎ取りは器具の側面にあるストリップゲージ通り正しく行いましょう。

三路回路と露出型コンセントの問題
三路回路と露出型コンセントの問題
バインド線の巻き付け不足
バインド線の巻き付け不足
ひっかけシーリング外装被覆の剥ぎ取り過ぎ
ひっかけシーリング外装被覆の剥ぎ取り過ぎ

欠陥箇所あり|①電線色別の相違


★解説

①接地側極に白色以外の電線が結線されている。 

接地極付コンセントの場合は間違えやすいので注意が必要です。実際に現物を見て確認をしておくといいでしょう。

 

欠陥箇所あり|②埋込器具と連用取付枠との取付不十分


②接地端子が連用枠にしっかりと固定されていなかった。 

埋込配線器具の連用枠への固定がゆるいと、器具が外れてしまいますのでドライバーを使ってしっかりと固定しましょう。この作業は慣れていないと苦労するので練習を重ねる必要があります。 また、同時に外し方も練習をしておくと万が一の時に焦らずに済みます。

接地極付コンセントと接地端子の回路
接地極付コンセントと接地端子の回路
配線器具裏側の結線確認
配線器具裏側の結線確認
取付枠から配線器具が外れている
取付枠から配線器具が外れている

欠陥箇所あり|止めネジのネジ切り未処理


アウトレットボックスと金属管が含まれた公表問題
アウトレットボックスと金属管が含まれた公表問題
ボックスコネクタ拡大図|コネクタネジを締め付けできていない
コネクタネジの頭の部分が残ったままになっている

★解説:ネジなしボックスコネクタの止めネジを切っていない。

ネジなし電線管のネジは、締め付けることによって最良の締め具合でネジ頭が切れるようにできています。これは締め具合に個人差をなくし確実な接続をするためのものです。ネジ切りはある程度の力とコツが必要です。何度か練習を重ねておきましょう。

欠陥箇所あり|絶縁被覆を締め付け


自動点滅器を端子台で代用する公表問題
自動点滅器を端子台で代用する公表問題
端子台ネジで絶縁被覆を締め付けている
右から2本目の白色の絶縁被覆がネジ止めされた状態

★解説:端子台への結線で座金が絶縁被覆を挟み込んでしまっている。

1箇所に2本結線する場合は絶縁被覆を挟み込んでしまうことがあるので注意が必要です。電線の形を整え、長さを揃えると作業が楽になりますので、練習を重ねてコツを身に付けましょう。

欠陥箇所あり|絶縁被服が短い


多灯点滅回路の画像
多灯点滅回路
絶縁被覆が短く絶縁テープ巻きが困難な状態
絶縁被覆が短く絶縁テープ巻きが困難な状態

★解説

リングスリーブ接続箇所でケーブルの外装から絶縁被覆が出ている部分が短すぎる。 

圧着を間違えて何度もやり直すと、このような状態になります。圧着間違えでやり直すことは多々ありますが、なるべく心線を長く残しておきましょう。心線を長めに残すやり方があるので覚えておくと役に立ちます。

欠陥箇所なし|コンセント


埋込コンセント:20A250V接地極付|欠陥なしの状態
埋込コンセント:20A250V接地極付
コンセント裏結線確認|欠陥なしの状態
コンセント裏結線確認|欠陥なし

★施工ポイント

電源電圧100V回路の埋め込み器具の場合、電源からの接地側電線(白色)をコンセントのW(N)に結線をする。色を間違えると重大欠陥になるので注意してください。

欠陥箇所あり|電線の接続で絶縁被覆を圧着している。


埋込連用パイロットランプ|同時点滅
埋込連用パイロットランプ|同時点滅
リングスリーブ圧着接続|絶縁被覆の上から圧着
リングスリーブ圧着接続|絶縁被覆の上から圧着

★解説:リングスリーブを絶縁被覆の上から圧着してしまっている。

電線の接続をリングスリーブで圧着する場合、本数が多くなればなるほどこのような欠陥を招いてしまいます。失敗しないでリングスリーブ圧着をするため、何度も練習を重ねコツをしっかりと身に付け、慎重に作業しましょう。

欠陥箇所あり|リングスリーブ接続において圧着マーク不適正


埋込連用ホタルスイッチ 
埋込連用ホタルスイッチ 
リングスリーブ圧着接続:ダイスの間違え・欠陥
リングスリーブ圧着接続:ダイスの間違え・欠陥

★解説

電源からの電線2.0㎜と点滅器へ繋がる1.6㎜の組み合わせの接続箇所は、リングスリーブ『小』、ダイスは『小』となるので『○』ダイスは間違いです。

 

リングスリーブとダイスの選択間違えが一か所でもあると不合格となります。 これはとても重要です。考え方のコツがありますので、しっかりと覚えておきましょう。 間違えて圧着をしてしまっても修正できる場合もあるので、それも覚えておくと万が一のときに役立ちます。

欠陥例

技能試験の合格基準は、課題作品の成果物について電気的に施工上の「欠陥」がないことです。欠陥の一例と欠陥にならないためのポイントをいくつか挙げるので参考にして下さい。ここでは下記の3つのケースについて取り上げます。

 

  • ランプレセプタクル
  • 引掛シーリング
  • ケーブル

■ランプレセプタクルの場合


ランプレセプタクルのネジの締め付け不足
ネジの締め付け不足
ランプレセプタクルの極性の誤り|受金ネジ部に白色を結線している
極性違い受金ネジ部に白色を結線する
ランプレセプタクルの台座の上から結線している
台座の上から結線している

心線露出部分が5㎜以上の欠陥
絶縁被覆のはぎ取り過ぎ5㎜以上
ランプレセプタクルの極性間違え
カバーが締まらない

■引掛シーリングの場合


極性間違え。接地側に白線を入れる。
電線の色違い
白色を結線する側に『W』や『N』または『接地』の表示あり
白色を結線する側に『W』や『N』または『接地』の表示あり
芯線露出
絶縁被覆のはぎ取り過ぎ 1㎜以上露出
外装被覆の剥ぎ取り過ぎ
シースの剥ぎ取り過ぎ5㎜以上

■ケーブルの場合


ケーブル外装被膜の立て割れ欠陥
ケーブルの外装被覆に20mm以上の縦割れがある
絶縁被覆が露出している
絶縁被覆が見えている
絶縁被覆が損傷して芯線が露出している
絶縁被覆が損傷して心線が露出
芯線の深い傷(欠陥)
心線が著しく損傷(深い傷)

監修者

 

20年以上電気工事の経験があり、第一種電気工事士・一級電気工事施工管理技士の資格をもつ技術者が監修しています。


お願い:もし少しでも参考になったら、シェアしてください。


これは欠陥項目の一部です。

この他にもたくさんの欠陥項目があるので詳しくは講習会で解説いたします。